かた湯の絵本

好奇心の赴くままに

ここさけとマザーグースと鏡の国のアリス

 堪忍して欲しいはなし

の間、「心が叫びたがっているんだ。」(以下ここさけ)という映画のBDを見せられました。この類の話には深刻な精神ダメージを負ってしまうので、全力で避けていたのに... 堪忍して欲しい...

 

 

  たまごのはなし

鑑賞結果:かた湯のMPはもうゼロよ

 

大変心が揺さぶれてしまい(ベッドの隙間に頭を突っ込んであーーー)、というか音楽ずるいでしょ...、本題に触れることは精神衛生上できはしない。

なのですが、作品の所々で出てくる「たまご」の妖精、これ見たことありますよね... 

 

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そうです、ハンプティ・ダンプティ(Humpty Dumpty)に似ている...

そうだ、たまごの話に専念し本筋からずれることで、この心を苛む辛い感情を昇華しよう... というわけで、ハンプティ・ダンプティの話をします。

 

  マザーグース

知る限り、ハンプティ・ダンプティの初出はマザーグースMother Goose)が初出のはずです。マザーグースは欧州の童謡集です。マザーグースは直訳で「ガチョウ婆さん」かな? ひとつの歌の中にもガチョウばあさんは出てきます。

 

Humpty Dumpty はマザーグースの中のひとつで、バージョンが色々あるようですが、その内のひとつを挙げます:

    Humpty Dumpty Set on a wall,

    Humpty Dumpty Had a great fall,

    All the king's horses and all the king's men,

    Couldn't put Humpty together again. 

 

「Couldn't put Humpty together again. (もとに戻せなかった)」

ふーん、なるほど?ここさけの本筋とはまったく関係がないですね。

 

ハンプティ・ダンプティ、これが初出にしては文章として「たまごの擬人化」とか全く説明がないんですが、実はこの歌自体がなぞなぞで、落としたら戻せない=>その答えが「たまご」だったわけらしいですよ... こぼれた水はまた汲めばいい、それだけだ。ってどこかのコーチが言いそうですね。

 

 鏡の国のアリス

ハンプティ・ダンプティは色々と引用がなされているのですが、その一つに鏡の国のアリスThrough the Looking-Glass, and what Alice found there)[Lewis Carroll]があります。「Chapter VI: Humpty Dumpty」、丸々一章が割かれています。 

 

壁の上に座るハンプティ・ダンプティ(例によってたまごの妖精さんのよう)がアリスとはなしをしているのですが、どういう話かなと一部を引用してみると

 

 "When I used a word", Humpty Dumpty said in rather a scornful tone, "it means just what I choose it to mean -neither more nor less."

    "The question is," said Alice, "whether you can make words mean so many different things."

    "The question is," said Humpty Dumpty, "which is to be a master -that's all."

                [Through the Looking-Glass, and What Alice Found There, Chapter VI: Humpty Dumpty]

 

このように

     Word (ことば)が大事だよ

って話が延々と繰り広げられています。ことばって大事ですね。

          まあ、ここさけの本筋とはかすりもしないほど関係ないですね!!

 うっ、お腹が痛くなってきた...

 

    Conclusion

ここさけもう一回観るしかないの?堪忍してください... 

 

     Literary Nonsense

マザーグースやアリスはLiterary nonsense(ナンセンス文学)という分類がなされることがあります。詳細はwikiにでも譲る(ナンセンス文学 - Wikipedia)として、これらの作品は解釈や広がりの余地が十分にあることが、後に多く引用される要因のひとつとなったのではないかと考えています。どうでしょう。自分はこうゆう「引用」というものが大好きです。

 

 Re: Conclusion

みんな、この間150周年にもなったアリスを読もうぜ!

原作本もBDも妙訳本もあるのでお貸しするよ!

 

(注:「ここさけBDの後に不思議の国のアリスBD(Disney)を流したら、メンバーに大不評だったの納得いかない...こともないけど、うーん」という、この「心」にわだかまる「ことば」が文章になったのがこの記事です。)